ビールこぼれ話3
英国滞在記のカテゴリーで「ビールこぼれ話」のシリーズを書いた。このとき、ビールの話は終わりにすると書いたが、英国滞在記とは別にもう一つ。
オーストラリアのビールとY嬢
以前、オーストラリアのスコーンを貶してしまったので、ここでは彼等のビールを褒めよう。
オーストラリアでY嬢とともにスコーンを試食したのは、国際会議の期間中であったが、この時、私達は御当地ビールも味わった。
オーストラリアは当然、英連邦の一員として、英国の食習慣を継承している。ビールでも、最も一般的なのはビターである。
スコーンと違い、ビターについては明らかにオーストラリアに軍配が上がる。元祖の英国より遥かに素晴らしい。レストランの生ビールは勿論のこと、スタンドで立ち飲みする瓶入りでも、十分に品質は高かった。私が知ったビールの中で、ダントツにNO.1である。
スコーンに失望したY嬢も、ビールについては感激し、私達は何度も街へ、飲みに出た。
残念ながらオーストラリアのビターは日本の市場には出回っていない。ぜひ輸入して欲しいと思っている。日本のメーカーは大打撃を受けるかもしれないが。
ちなみにY嬢は、研究室随一の酒豪であった。普段はほぼ「幼稚園児」の振る舞いであるが、忘年会などでアルコールが入ると、次第に「お局様」に変身し、他の学生を仕切り始める。学生たちはこの変身ぶりが面白く、彼女にしきりに飲ませるのが常であった。
酔いが回ると精神年齢が上がる人もいるようだ。精神年齢と言って良いかは疑問であるが・・・
被害に遭うのは下級生であり、彼等はパシリに使われ、私が帰宅した後も、不足した酒を何度も買いに走らされたそうだ。
学生が多いときはこれで良いが、オーストラリアでは私一人であり、研究発表を終えた彼女が弾けてビターを飲みまくり、私はやや大変な時を過ごした。
補足
散々手を焼かせたY嬢も、何とか博士号を取得して研究職に就き、今や母親となった。
幼稚園児が幼児を育てている感があり、不安はぬぐえないが・・・
母乳で育てることは、していないそうである。
考えて見ると、母乳で育てれば、その間は飲むわけに行かないのだ。
(完)