浦島太郎の随想

物理屋の妄想タイム

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2018-01-01から1年間の記事一覧

2018年8月8日

・ ひと口笑い話: ミニ言語学25 英語 日本語 wife 賄婦 注: 「まかないふ」ではなく、音読みです。 なお、女性蔑視の意図は全くありませんので、ご了解ください・・・

英国人の読解力と国語教育2

前回より続く 語学研修の体験は、笑い話として済ますわけには行かなかった。私と家族は、この社会の一員として、生きて行かなければならない。このとき、私は英国に永住する覚悟であった。こんな行き違いが頻繁に起こっては、大変に危険である。 真相を確か…

英国人の読解力と国語教育1

「言葉の重要性4」から続く 上の記事において、言葉は感情を伝える手段ではなく、情報を伝える手段である、と書いた。 もちろん、これは学問の世界の話で、言葉には両方の役割がある。そして、感情と情報の区別は必ずしも明確ではない。さらに言葉には、文…

言葉の重要性4ー卒業を控えた学生(後編)

前編の続きであるが、その学生に、どのようにして単位を出したのかは、覚えていない。当時は今とは比較にならない超売り手市場で、就職は内定していた。 答案も採点も保管され、外部審査が監視する今の時代なら、単位の認定は不可能であった。私なりの基準は…

2018年7月29日

・ ひと口笑い話: ミニ言語学24 英語 中国語 thought 想 ・・・かもしれない

言葉の重要性3ー卒業を控えた学生(前編)

「言葉の重要性2」から続く 私の着任当時、奉職した大学では、卒業研究のために研究室に配属を許される基準が非常に緩かった。私は3年次後期の必修単位の1つを担当しており、単位認定を厳しくしていた。その結果、他研究室の4年生が、就職は内定したが卒…

言葉の重要性2-ドイツのディクテーション

前回の記事では、多くの日本人が文章から情報を正しく読み取ることが出来ない、という読解力調査(RST)の結果を紹介し、その結果について、「特に驚いていない」と述べた。 さらに、調査を行った国立情報研究所の新井教授の分析とは異なり、日本に特有の…

言葉の重要性1

最近のテレビ番組で、RST(リーディング・スキル・テスト)という読解力調査のことを知った。国立情報学研究所の新井紀子教授により進められたプロジェクトである。 検索 したところ、昨年中にすでに発表されていた。物議を醸したようだが、私は知らなか…

2018年7月19日

・ ひと口笑い話: 諺をよく考えよう9 ✕ 「下衆の勘ぐり」 〇 「guessの勘ぐり」 ・・・ ミニ言語学のススメ

2018年7月12日

ひと口笑い話: 諺を良く考えよう8 ? 「大は小を兼ねる」 金持ちは貧乏人を兼ねる 老人は若者を兼ねる 大学は小学校を兼ねる ・ ・ ・ 忠告: 特殊な場合に成り立つ公式を一般化してはいけません 特に、最後のだけはやめてください

2018年7月8日

ひと口笑い話: 5・5・7・5 川柳 ダスキンシリーズNo4 ダスキンを 呼ばないと そろそろですねと 電話来る (字余り) 注: さすが商売・・・

2018年7月5日

ひと口笑い話: ミニ言語学23 英語 中国語 buy 買 注: たぶん新説ではないでしょう・・・

2018年6月26日

ひと口笑い話: 本当の理由2 サッカーの試合を見ながら、妻が「PK」を「PKO」と言った。 「PKを」と言ったと主張しているが、最近このようなことが増えている・・・

英国の鳥(4)

前回は、キャンパスの池に住むアヒルの行動について書いた。ゲストハウスの住人が餌付けを始めたため、毎朝、湖水からアヒルが行儀良く、列を成してやって来た、という話であるが・・・ カモメのホバリング アヒルだけではなかった。 間もなく、湖水からは、…

2018年6月23日

ひと口笑い話: 本当の理由1 サッカーの試合を見ながら、妻が「メッシ」を「サッシ」と呼んだ。 「メ」と「サ」の言い違えと主張しているが・・・ メッシ → メッシュ → 網の目 → 網戸 → サッシ これだ!

2018年6月21日

ひと口笑い話: ミニ言語学22 英語 日本語(古文) come 来む 責任は持ちませんが・・・

英国の鳥(3)

湖水のゲストハウス カメ吉が生まれ、オトメと2人して私に合流してからは、私は下宿暮らしを卒業し、大学のゲストハウスに住めることになった。 この大学は、恵まれた環境にあった。敷地に隣接していた小さいゴルフコースを、政府が買い取ってキャンパスを…

回り道をした人々5(後編)

(中編から続く) ・・・しかし、このような私の指導は、どうも裏目に出た可能性がある・・・ 研究室訪問 A君がアカデミックな研究職の希望を持っていることを、私は感じていた。しかし彼の年齢は、その道を選ぶには微妙であった。 博士号を取得するには問…

回り道をした人々5(中編)

(前編から続く) 彼に叱責を与えたのは、この一度だけであるが・・・ 反逆者の顔 指導を進めるうちに、A君の反逆的な気質は徐々に姿を現すようになった。そして彼は時々、私の指導に逆らった。 実は、ワークステーションの立ち上げの時が最初ではなかった…

回り道をした人々5(前編)

ロンリー・ウルフ A君は、私が学部から修士課程の修了まで指導した学生である。その後、メジャーな大学の博士課程に進み、博士号を取得した。 A君は私の担当科目をすべて履修したが、彼のレポートを添削したことは、ほとんどない。あるとすれば、情報量を…

英国の鳥(2)

前回の記事で、英国では人々が鳥を大切にするため、鳥が人を怖れない、ということを書いた。英国の鳥はその他の点でも、行動様式がかなり変っている。 鳥の交通事故 動物が交通事故の犠牲になることは、どこの国でもある。 日本では猫が犠牲になることが多い…

英国の鳥(1)

人間を怖れない鳥 英国を初めて訪れた日本人が必ず驚くことの一つは、鳥が、人を殆ど怖れないことである。日本人の集まりに新顔が加わると、一度はこの話になる。 日本の鳥がすぐ逃げるのは、人がやたらに鳥を追い廻して、警戒心を抱かせてしまったのだ、と…

2018年6月5日

・ひと口笑い話: ミニ言語学21 英語 中国語 do 動 注: 可能性大です

英国の虫

計算する時 最初から脱線した話で恐縮だが、物理屋は計算をするとき、多くの記号を使用する。 a,b,c・・・i,j,k・・・x,y,z というアルファベットである。 アルファベットの前半は定数、後半は変数と、用途が習慣的に決まっている。途中の i からnまでの6…

回り道をした人々4

博識のH.B. 教授 H.B.教授とは、「タテの教育とヨコの教育」や「ある転職」に登場したスイスのB教授のことである。また「スイスの鉄道網」でも紹介した。彼もまた、回り道をした人々の一人であった。 彼は非常な紳士であった。客人に対する気配りは相当なも…

2018年5月29日

ひと口笑い話: 諺を良く考えよう7 「人のふり見て我がふり直せ」 〇 解釈1:人の悪いところを見て、自分の悪いところを直しましょう ◎ 解釈2:人の良いところを見て、見倣いましょう 注: 笑い、ときどき真面目

回り道をした人々3

第2回に書いたN君のように、社会人の間に資金を貯め、なおかつ、在学中もアルバイトをしながら卒業して行った学生が、他にも何人か記憶に残る。 夕刻のやや遅い時間であった。私と妻は、家から少し遠いところに、まだ営業しているスーパーを探し、翌日のた…

回り道をした人々2

若い人々は、かつてのように、人生を急がなくなったのかもしれない。 大学へ入学する人々の年齢が、昔に比べると高くなってきた。 高校を卒業し、社会人を何年か経験してから入学する者、他大学から進路変更して転入してくる者、高校を中退し、大検を経て入…

2018年5月22日

ひと口笑い話: ミニ言語学19 英語 日本語 joke 冗句 注: 単なるジョークです。言語学ではありません。

ある転職

教授人事の日 以前の「タテの教育とヨコの教育」の記事で、スイスの大学で知ったヨーロッパの大学人事の内情を紹介した。その後、実際にこの大学で素粒子論の教授が退任し、それに伴って、新任の教授の選考が行われた。 この日のコーヒータイムは、人々が選…