英国滞在記
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,"data":{}},{"key":"2m2oo","text":" ","type":"unstyled","depth":0,"inlineStyleRanges":,"entityRanges":,"data":{}},{"key":"ek5k1","text":"かなり昔になりますが、国際化の掛け声が大きくなり始めた頃、「日本人はどのようにして英語の会話能力を高め…
(前回から続く) 帰国 その後、私は日本に職を得て突然帰国することになった。その慌しさのため執筆はさらに遅れ、結局その2編を書き上げたのはオーストラリア人の訪問から約半年後のことである。出発の直前になっていた。 母国に常勤の職を得たことをY教授…
前回から続く 綱を渡り切って・・・ しかし、無理やり始めてみると、書きながらの作業は悪くなかった。 途中で誰かに読まれても良いように、客観性を意識して書いていたため、考えが良く整理される。日頃の研究の進め方が、いかに緻密さを欠いていたかに気付…
前回の記事から続く 保管していたメモから 実はこの計算メモは、私にとって特に重要なものではなかった。失くしていたことさえ、気が付かなかった程である。少し気になることがあったので、確かめるために行った計算であり、私はこのようなメモは、自分が納…
前回から続く 街の中で紛失した所有者不明の計算用紙が、わずか2時間のうちに自宅まで届けられたのである。私の仕事が、この社会でこれほど大切に扱われているとは、思いもよらぬことであった。この事件は、それまで英国の社会のあり方、とくに教育について…
届けられたメモ 「ハロー、ドクター・ウラシマ !」と帽子をとり、にこやかに挨拶した制服姿の初老紳士が、私の勤める大学で時々顔を合わせる主警ガードマンであったことを思い出すまで、しばらく時間がかかった。 金曜日の夕方、いつもより早めに帰宅してい…
英国滞在記のカテゴリーで「ビールこぼれ話」のシリーズを書いた。このとき、ビールの話は終わりにすると書いたが、英国滞在記とは別にもう一つ。 オーストラリアのビールとY嬢 以前、オーストラリアのスコーンを貶してしまったので、ここでは彼等のビールを…
「パリのアメリカ人」というガーシュウィンの名曲がある。 華の都にやって来た作曲者の印象を率直に描いたこの曲は、やや自虐的な要素を持つように思えるが、私は好きである。 今回は「東京の英国人」がテーマである。正確に言えば、東京の疑似体験をした英…
先日の記事で、英国のホームメイドのビールやワインの話をしたが、これを書きながら、色々と思い出したことがあった。 テニスの後 大学院時代の話であるが、ある日曜日に私のテニス仲間が、テニスを始めたい人がいると言って、新顔をコートに連れてきた。物…
話の途中で年が明けてしまった・・・ 前回に続き、再びテニスの後の話になるが、こちらは英国である。 Bear first, or Tea ? 前回も書いたように、テニスの後はビール、と日本では相場が決まっている(と私は信じる)。英国では? 渡英したばかりのころ、妻…
シリーズの途中で随分時間を空けてしまったが・・・ 「英国の食事7」に続き、英国の食品について、もう少し褒め足しておこう。と言っても、今回はアルコール飲料である。 酒類は食事そのものではないが、私にとって食事の一部である。 ビールの種類 英国人…
つまみ食い野郎どもに告ぐ! オレは面白くない!! オレは公的消費のためスナックを買っているのではない! ある日、ティールームに置かれた冷蔵庫を開けると、ボックスに書かれたこの文字が目に飛び込んできた。ティータイムに秘書さん達から、ミルクを持っ…
以前の記事で、G博士の弁当について紹介した。比較的に豪華ではあるが毎日、完全に同じ内容であると・・・ 曜日で決まっている英国人の夕食 G博士に限らず、英国人の朝食と昼食は、ほぼ毎日、同じである。そして夕食も、曜日ごとに決まっている家庭が多い。…
歯医者の話題は食事と直接の関係が無いが、関連性はあるので、ここに書いておこう。 とくに前回書いたように、食後に2種類のスイーツを食べる英国では関連性が強い。 子供の頃からそんな生活をしているので、英国民の歯はボロボロである。 難破船の語るもの …
第3話から続く 1.砂糖を栽培し、輸出している 2.国民一人当たりの砂糖の消費量が、世界1である 3.恐らく世界一、虫歯の多い国民である(と自ら認めている) 熱帯の国の話ではない。何処あろう、英国である。 寒冷な気候では、砂糖きびの栽培は難しい…
前回の記事で、大学キャンパス内での昼食の様子を少し紹介したが、英国での昼食は基本的にキャンパス内に限られていた。ヨーロッパでは一般に、学外での昼食の選択肢は乏しい。とくに英国では皆無と言えた。 日本の大学でも学内に食堂があり、学生も教官もこ…
前回から続く 以前、別の記事に登場したM教授であるが、彼と2人だけで昼食に出かけることがしばしばあった。 大学の運営に関する会議や行事に他のスタッフが揃って出席していると、それに関わらない私のような研究員や、彼のようなゲストだけが残る。 秘書…
前回に続く コンチネンタル vs イングリッシュ 良く知られていることであるが、海外のホテルの案内で「コンチネンタル・ブレックファースト」とあれば、出てくるものは固いパンと飲み物(紅茶、コーヒーまたはミルク)と相場が決まっている。バターとジャム…
ヨーロッパ大陸の人々が、英国人の食事をボロクソに貶(けな)していることについて、以前の記事で紹介したことがある。 とくに、英語特有の発音との関係など・・・ 冠詞の the を始めとして、they やその格変化、this, that, these, those, there, through,…
「 英国人の色彩感覚1」から続く いらかの波 白い漆喰の壁と、黒い瓦屋根が立ち並ぶ。 黒、白、黒、白、 ・・・ 果てしなく並ぶ。住宅地には色が無い。 帰国して最初に赴任地に到着した時は、夜であった。用意されていた官舎の集合住宅に泊まり、一夜明けて…
環境は人の色彩感覚を支配する。 天候や自然の風景は、当然ながら影響する。そして私の印象では、それ以外にも、生活スケールの違いが、色彩感覚に大きく影響する。建物の大きさや道路の広さ、部屋の広さ、それによる人間同士の距離の違いなどである。見る距…
イスラム圏の多くの国々では、まだ教育の体制が整っていない。そのため、これらの多くの国々では、英国の大学に留学することがステータスとなっている。私は英国滞在中に多くのイスラム圏の知人を得た。 日本人の夫と英国人の妻について書いたので、滞在中に…
前回は日本人の亭主の話をしたので、今回は英国人の女房の話をしよう。 英国人の夫婦は共働きが殆どである。夫の収入のみで生計を立てられる家庭は限られる。大学のスタッフは、教授以外はすべて、奥さんも仕事を持っていた。ちなみに、英国の大学では教授は…
日本で ある日、形勢逆転を狙い、レストランで食事をしながら 「・・・ところで結婚する前に、言っておくことがあるけれど・・・」 と切り出した。私を見つめるオトメに 「僕はフェミニストじゃないからね。亭主関白で行くよ。」 その刹那、 「あはははは」 …
前回から続く 仕切り直しをして、 無意味な仕事の分類学の続きを試みよう。 無意味と決めつけることは言い過ぎとしても、しない方が良い、あるいは、しなくても良い、という仕事は、日本の社会では山ほどある。 見栄のための仕事 第2回の記事で、私の「綺麗…
(1)から続く 初回の記事に戻るが、セミナートークにおいて ・予備知識がなければ理解できない話をする。 ・聞き手の集中力が切れてからも、だらだらと話を続ける。 ・形式美に手間をかける。 彼等の基準では、いずれも無意味な行為である。 習慣による無…
このブログで、私は社会で行われている様々な種類の無意味な行為について、色々な場面で愚痴をこぼしてきた。我ながら、やや頻度が多すぎた気がするが・・・ 事実として、歴史的にも、無意味な行為は多かった。論語読みの論語知らずからはじまり、深刻な例と…
(前回から続く) 英国において、季節の区切りが感じられる節目は、イースターホリデーとクリスマスである。イースターでは実際に季節が変わる感覚があるが、クリスマスは、むしろ精神的な節目である。 イースターホリデー イースターの時期は年により変わる…
日本は四季の区別がはっきりしている。 春と秋は独立した固有の季節であり、単に冬と夏の中間ではない。 春の空は霞がかり、空気は穏やかで肌に優しい。 秋は天高く、空気は引き締まり、優しいというよりは爽やかである。 春と秋では、風景は全く異なる。花…