浦島太郎の随想

浦島太郎の随想 - 物理屋の妄想タイム

~記事へのコメントは歓迎です~

竜宮城で貰った玉手箱をうっかり開けてしまった浦島太郎ですが・・・その後もしぶとく生き続けてネバーランドに流れ着き、
若い人々と物理学を楽しむ日々を送っています・・・

統計の虚実2

「統計の虚実1」から続く 「統計」の話とは言えないが、やや関連する確率の話をしよう。 恐縮ながら、再び長男の話題である。 前回の記事から遡ること、およそ10年前であるが・・・ 長男至上主義と人口比 ある小説家が 週刊誌に、軽い娯楽記事を連載して…

統計の虚実1

第1子 vs 第3子 満面の笑みを浮かべ、オトメが勝ち誇ったように、私の目の前に新聞記事を広げた。 渡英する前の、まだ新婚といえる時代の話である。 当時、よく話題になっていた「長男(長女)と次男(次女)の、どちらが優秀か」という問題についての記事…

英国人の色彩感覚1

環境は人の色彩感覚を支配する。 天候や自然の風景は、当然ながら影響する。そして私の印象では、それ以外にも、生活スケールの違いが、色彩感覚に大きく影響する。建物の大きさや道路の広さ、部屋の広さ、それによる人間同士の距離の違いなどである。見る距…

2019年 元旦

あけまして、おめでとうございます 本年もよろしくお願い申し上げます 早速ですが・・・ ひと口笑い話: ミニ言語学32 英語 日本語 マム まんま 言語学者によると、「母親」と「食事」が m の音で 始まるのは、世界共通だそうです(母親=母乳=食事) 新…

イスラムの妻たち

イスラム圏の多くの国々では、まだ教育の体制が整っていない。そのため、これらの多くの国々では、英国の大学に留学することがステータスとなっている。私は英国滞在中に多くのイスラム圏の知人を得た。 日本人の夫と英国人の妻について書いたので、滞在中に…

2018年12月16日

ひと口笑い話: ミニ言語学番外編 帰国した頃の親子の会話(ノンフクション) カメ : 「Bo」と言うのに「ほ」に点々をつけるのは、間違ってるよ! オトメ: ・・・? じゃあ、本当はどうするの? カメ : 「ほ」じゃなくて、「も」に点々だよ! そう言えば…

英国人の妻

前回は日本人の亭主の話をしたので、今回は英国人の女房の話をしよう。 英国人の夫婦は共働きが殆どである。夫の収入のみで生計を立てられる家庭は限られる。大学のスタッフは、教授以外はすべて、奥さんも仕事を持っていた。ちなみに、英国の大学では教授は…

日本人の亭主

日本で ある日、形勢逆転を狙い、レストランで食事をしながら 「・・・ところで結婚する前に、言っておくことがあるけれど・・・」 と切り出した。私を見つめるオトメに 「僕はフェミニストじゃないからね。亭主関白で行くよ。」 その刹那、 「あはははは」 …

無意味なことをする理由・させる理由(8)

前回からの続き S君は私の研究室で大学院に進学し、博士号を取得するまで在籍した。 S君の困難 彼が学部の卒業論文で、2つのテーマで数値計算を3か月で終了させたことは前回話したとおりである。彼はそれまで、プログラミングはおろか、キーボードに触れた…

2018年11月18日

久しぶりに・・・ ひと口笑い話: ミニ言語学31 英語 中国語 set 設 注: 3人称単数のsを付けると、より近い

無意味なことをする理由・させる理由(7)

前回から続く ある年、私は2人の学生の卒業研究を指導した。一人は成績が第一位のK君であった。K君は初年時の私の授業を満点で通過しており、大変真面目な学生であった。もう一人の学生は、別の記事に登場したS君である。 対照的な2人のレポート 3年生にな…

無意味なことをする理由・させる理由(6)

前回から続く 「無意味なこと」というタイトルでシリーズを書いてきたが、この言葉を目に(または耳に)したとき、「学校の勉強」を思い浮かべる人が、かなり多いのではないだろうか? 私は小学生時代、真面目に勉強した記憶が無い。むしろ、なるべくやらず…

無意味なことをする理由・させる理由(5)

前回から続く 既得権益を保護するための仕事 かつては意味があったが、現代ではほぼ無意味になっている・・・それが分かっていても、制度上なお存在し続けている・・・という仕事は、かなりあるように思う。 これは個人の価値観や習慣でやってしまうことでは…

無意味なことをする理由・させる理由(4)

前回から続く 仕切り直しをして、 無意味な仕事の分類学の続きを試みよう。 無意味と決めつけることは言い過ぎとしても、しない方が良い、あるいは、しなくても良い、という仕事は、日本の社会では山ほどある。 見栄のための仕事 第2回の記事で、私の「綺麗…

2018年10月6日

・ひと口笑い話: ミニ言語学30 英語 日本語・中国語 cent 銭 正しいかも・・・ ・卒業パーティの追憶 照れ臭そうに笑った学生にビールをつぎながら、 「どうですか ? 終った感想は ?」 「う~ん・・・やっぱり、俺の性には合いませんでしたが、 ちゃん…

無意味なことをする理由・させる理由(3)

シリーズの(2)から続く 「しなければならない仕事」だけで済ませ、他をすべて「してはならない仕事」とする英国流の社会人生活が板に付いた頃、私は帰国して、地方の国立大学に勤めることとなった。 それまでやっていたことを、やらずに済ませる・・・ こ…

無意味なことをする理由・させる理由(2)

(1)から続く 初回の記事に戻るが、セミナートークにおいて ・予備知識がなければ理解できない話をする。 ・聞き手の集中力が切れてからも、だらだらと話を続ける。 ・形式美に手間をかける。 彼等の基準では、いずれも無意味な行為である。 習慣による無…

2018年9月28日

・「言葉の重要性1~7」「英国人の読解力と国語教育1~4」「英国人の文学」 「日の昇る国への羨望と失望」が互いに関連しているため、順序と連続性を文中 に表記し直しました。 ・ひと口笑い話: ミニ言語学29 英語 中国語 saint 聖 注: 笑い話にはな…

無意味なことをする理由・させる理由(1)

このブログで、私は社会で行われている様々な種類の無意味な行為について、色々な場面で愚痴をこぼしてきた。我ながら、やや頻度が多すぎた気がするが・・・ 事実として、歴史的にも、無意味な行為は多かった。論語読みの論語知らずからはじまり、深刻な例と…

英国の季節感2

(前回から続く) 英国において、季節の区切りが感じられる節目は、イースターホリデーとクリスマスである。イースターでは実際に季節が変わる感覚があるが、クリスマスは、むしろ精神的な節目である。 イースターホリデー イースターの時期は年により変わる…

英国の季節感1

日本は四季の区別がはっきりしている。 春と秋は独立した固有の季節であり、単に冬と夏の中間ではない。 春の空は霞がかり、空気は穏やかで肌に優しい。 秋は天高く、空気は引き締まり、優しいというよりは爽やかである。 春と秋では、風景は全く異なる。花…

英国の自然

以前、英国の文学について感想を述べたが、私のイメージの中では、英国人の文学に感じられる寒々しさや無常感は、英国の自然と結びついている。アーサー王やロビンフッドなどの伝承的な物語や、ドラマや映画にも、同じものを感じる。独特の土臭さや時間の流…

言葉の重要性7

前回から続く このシリーズで初回の記事以来、私が問題にしてきたテーマは、言葉における「確かな情報伝達」と「秘められた意味」の問題である。英国では前者に、日本では後者に重きが置かれ、そのために、それぞれ問題が発生している。 入学試験と読解力の…

2018年9月7日

・とりあえず「言葉の重要性」シリーズは、今回で終了します。 言葉については、これからもしばしば取り上げると思いますが・・・ ・ひと口笑い話: 諺を良く考えよう12 ? 「心頭滅却すれば火もまた涼し」 〇 「神経滅却すれば・・・」 小学生のとき、学…

2018年9月5日

・記事への御興味と、お気に入りへの追加、読者登録ありがとう ございました。 ・ひと口笑い話: ミニ言語学28 英語 中国語 show 証 注: 恐らく正しい

英国人の文学

以前の記事で、英国人は学校教育で文学を取り上げない、と紹介したが、もちろん英国に文学が存在しない訳ではない。 私は青年期に達してからは、文学にたしなむ時間をあまり持てなかったので、英文学に限らず、読んだ作品は極めて少ない。が、その範囲での印…

2018年8月31日

ひと口笑い話: ミニ言語学27 英語 日本語 through (1) 擦る (2)「スルッ」 (3)「ツルッ」 注: 摩擦を考慮するか否かで、解釈が変わります 発音的には(3)が最も近い 寒いのは納涼のため・・・

2018年8月27日

・ ひと口笑い話: 諺をよく考えよう10 「無理が通れば道理引っ込む」 ⇒ 「道理を通せば無理は引っ込む 」 対偶は常に正しい。人々の勇気を! 笑い話のはずでしたが・・・ 最近は似たようなことばかり書いていたので、つい・・・

言葉の重要性6-現代国語と高校生(後編)

前編から続く カラオケに行くと、マイクを持ったら離さない、という人がいるそうだ。 私はカラオケには行かないので、直接は知らないが・・・ 演壇でマイクを持ったら離さない、という人種なら、大勢知っている。男子校であった私の高校は、そのような連中が…

言葉の重要性5-現代国語と高校生(前編)

このシリーズは「言葉の重要性4」の続きであるが、その間、ひとしきり英国の国語教育について話し、また「日の昇る国への羨望と失望」で、英国人が日本の国語教育に対して抱いている感情について紹介した。 ここで日本の国語教育について、少し考えて見たい…