浦島太郎の随想

浦島太郎の随想 - 物理屋の妄想タイム

~記事へのコメントは歓迎です~

竜宮城で貰った玉手箱をうっかり開けてしまった浦島太郎ですが・・・その後もしぶとく生き続けてネバーランドに流れ着き、
若い人々と物理学を楽しむ日々を送っています・・・

無意味なことをする理由・させる理由(7)

前回から続く ある年、私は2人の学生の卒業研究を指導した。一人は成績が第一位のK君であった。K君は初年時の私の授業を満点で通過しており、大変真面目な学生であった。もう一人の学生は、別の記事に登場したS君である。 対照的な2人のレポート 3年生にな…

無意味なことをする理由・させる理由(6)

前回から続く 「無意味なこと」というタイトルでシリーズを書いてきたが、この言葉を目に(または耳に)したとき、「学校の勉強」を思い浮かべる人が、かなり多いのではないだろうか? 私は小学生時代、真面目に勉強した記憶が無い。むしろ、なるべくやらず…

無意味なことをする理由・させる理由(5)

前回から続く 既得権益を保護するための仕事 かつては意味があったが、現代ではほぼ無意味になっている・・・それが分かっていても、制度上なお存在し続けている・・・という仕事は、かなりあるように思う。 これは個人の価値観や習慣でやってしまうことでは…

無意味なことをする理由・させる理由(4)

前回から続く 仕切り直しをして、 無意味な仕事の分類学の続きを試みよう。 無意味と決めつけることは言い過ぎとしても、しない方が良い、あるいは、しなくても良い、という仕事は、日本の社会では山ほどある。 見栄のための仕事 第2回の記事で、私の「綺麗…

2018年10月6日

・ひと口笑い話: ミニ言語学30 英語 日本語・中国語 cent 銭 正しいかも・・・ ・卒業パーティの追憶 照れ臭そうに笑った学生にビールをつぎながら、 「どうですか ? 終った感想は ?」 「う~ん・・・やっぱり、俺の性には合いませんでしたが、 ちゃん…

無意味なことをする理由・させる理由(3)

シリーズの(2)から続く 「しなければならない仕事」だけで済ませ、他をすべて「してはならない仕事」とする英国流の社会人生活が板に付いた頃、私は帰国して、地方の国立大学に勤めることとなった。 それまでやっていたことを、やらずに済ませる・・・ こ…

無意味なことをする理由・させる理由(2)

(1)から続く 初回の記事に戻るが、セミナートークにおいて ・予備知識がなければ理解できない話をする。 ・聞き手の集中力が切れてからも、だらだらと話を続ける。 ・形式美に手間をかける。 彼等の基準では、いずれも無意味な行為である。 習慣による無…

2018年9月28日

・「言葉の重要性1~7」「英国人の読解力と国語教育1~4」「英国人の文学」 「日の昇る国への羨望と失望」が互いに関連しているため、順序と連続性を文中 に表記し直しました。 ・ひと口笑い話: ミニ言語学29 英語 中国語 saint 聖 注: 笑い話にはな…

無意味なことをする理由・させる理由(1)

このブログで、私は社会で行われている様々な種類の無意味な行為について、色々な場面で愚痴をこぼしてきた。我ながら、やや頻度が多すぎた気がするが・・・ 事実として、歴史的にも、無意味な行為は多かった。論語読みの論語知らずからはじまり、深刻な例と…

英国の季節感2

(前回から続く) 英国において、季節の区切りが感じられる節目は、イースターホリデーとクリスマスである。イースターでは実際に季節が変わる感覚があるが、クリスマスは、むしろ精神的な節目である。 イースターホリデー イースターの時期は年により変わる…

英国の季節感1

日本は四季の区別がはっきりしている。 春と秋は独立した固有の季節であり、単に冬と夏の中間ではない。 春の空は霞がかり、空気は穏やかで肌に優しい。 秋は天高く、空気は引き締まり、優しいというよりは爽やかである。 春と秋では、風景は全く異なる。花…

英国の自然

以前、英国の文学について感想を述べたが、私のイメージの中では、英国人の文学に感じられる寒々しさや無常感は、英国の自然と結びついている。アーサー王やロビンフッドなどの伝承的な物語や、ドラマや映画にも、同じものを感じる。独特の土臭さや時間の流…

言葉の重要性7

前回から続く このシリーズで初回の記事以来、私が問題にしてきたテーマは、言葉における「確かな情報伝達」と「秘められた意味」の問題である。英国では前者に、日本では後者に重きが置かれ、そのために、それぞれ問題が発生している。 入学試験と読解力の…

2018年9月7日

・とりあえず「言葉の重要性」シリーズは、今回で終了します。 言葉については、これからもしばしば取り上げると思いますが・・・ ・ひと口笑い話: 諺を良く考えよう12 ? 「心頭滅却すれば火もまた涼し」 〇 「神経滅却すれば・・・」 小学生のとき、学…

2018年9月5日

・記事への御興味と、お気に入りへの追加、読者登録ありがとう ございました。 ・ひと口笑い話: ミニ言語学28 英語 中国語 show 証 注: 恐らく正しい

英国人の文学

以前の記事で、英国人は学校教育で文学を取り上げない、と紹介したが、もちろん英国に文学が存在しない訳ではない。 私は青年期に達してからは、文学にたしなむ時間をあまり持てなかったので、英文学に限らず、読んだ作品は極めて少ない。が、その範囲での印…

2018年8月31日

ひと口笑い話: ミニ言語学27 英語 日本語 through (1) 擦る (2)「スルッ」 (3)「ツルッ」 注: 摩擦を考慮するか否かで、解釈が変わります 発音的には(3)が最も近い 寒いのは納涼のため・・・

2018年8月27日

・ ひと口笑い話: 諺をよく考えよう10 「無理が通れば道理引っ込む」 ⇒ 「道理を通せば無理は引っ込む 」 対偶は常に正しい。人々の勇気を! 笑い話のはずでしたが・・・ 最近は似たようなことばかり書いていたので、つい・・・

言葉の重要性6-現代国語と高校生(後編)

前編から続く カラオケに行くと、マイクを持ったら離さない、という人がいるそうだ。 私はカラオケには行かないので、直接は知らないが・・・ 演壇でマイクを持ったら離さない、という人種なら、大勢知っている。男子校であった私の高校は、そのような連中が…

言葉の重要性5-現代国語と高校生(前編)

このシリーズは「言葉の重要性4」の続きであるが、その間、ひとしきり英国の国語教育について話し、また「日の昇る国への羨望と失望」で、英国人が日本の国語教育に対して抱いている感情について紹介した。 ここで日本の国語教育について、少し考えて見よう…

2018年8月19日

・ 「日の昇る国への羨望と失望」を投稿しました。「言葉の重要性」および 「英国人の読解力と国語教育」のシリーズの関連記事でもあります 。 ・ ひと口笑い話: ミニ言語学26 英語 中国語・日本語 twin 対 注: ・・・かもしれない

日の昇る国への羨望と失望

これは「英国人の読解力と国語教育4」からの続きである 。 ある古い映画の再放送を、白黒で観た。喜劇役者として有名な俳優が主人公になり、ヒロインの女性を守りながら、海賊船の中で逃げ回る。片腕がフックの義手になっている船長を縛り上げ、彼に似せた…

英国人の読解力と国語教育4

前回から続く ・・・コンピュータのマニュアルを読むのは気が重く、私は完成目前の研究を、しばらく中断させていた。いつまでもレポートに取り掛からない学生の心境に近かったと言える・・・ 快適なマニュアル そうこうしているうちに、夏休みに入り、Y教授…

英国人の読解力と国語教育3

前回までは言葉から情報を受け取る場合の話をしてきたが、情報を発信する場合の話を少し書こう。 日本の憂鬱なマニュアル 私は、研究でコンピュータを使わなければならないことがある。しかし正直なところ、若い頃は、出来ればこれを避けたいと思っていた。 …

2018年8月8日

・ 「英国人の読解力と国語教育」のシリーズを、「言葉の重要性」のシリーズに挟みま す。なお、「言葉の重要性4-卒業を控えた学生(後編)」は、一部(大部)を書 き換えました。 ・ ひと口笑い話: ミニ言語学25 英語 日本語 wife 賄婦 注: 「まかな…

英国人の読解力と国語教育2

前回より続く 語学研修の体験は、笑い話として済ますわけには行かなかった。私と家族は、この社会の一員として、生きて行かなければならない。このとき、私は英国に永住する覚悟であった。こんな行き違いが頻繁に起こっては、大変に危険である。 真相を確か…

英国人の読解力と国語教育1

「言葉の重要性4」から続く 上の記事において、言葉は感情を伝える手段ではなく、情報を伝える手段である、と書いた。 もちろん、これは学問の世界の話で、言葉には両方の役割がある。そして、感情と情報の区別は必ずしも明確ではない。さらに言葉には、文…

言葉の重要性4ー卒業を控えた学生(後編)

前編の続きであるが、その学生に、どのようにして単位を出したのかは、覚えていない。当時は今とは比較にならない超売り手市場で、就職は内定していた。 答案も採点も保管され、外部審査が監視する今の時代なら、単位の認定は不可能であった。私なりの基準は…

2018年7月29日

・ ひと口笑い話: ミニ言語学24 英語 中国語 thought 想 ・・・かもしれない

言葉の重要性3ー卒業を控えた学生(前編)

「言葉の重要性2」から続く 日本の大学で教え始めた頃、研究室に配属された4年生が、私の担当する3年次後期の必修単位を再履修で最終学年に持越し、卒業を控えて就職が内定しても、なお単位が認定されない、というケースが続出した。 私の在職の最後のこ…